北浜を歩いていたらシュッとしてるビルがあったので撮りました。
シュッとしてる、て言うのは関西弁だと思うんだけど、さりげないのに垢抜けてるとか、洗練されてるとか、そういう感じだと思います。
石貼り、2丁掛けタイル、ガラスブロック、スチールサッシ、というのは60ー70年代の事務所ビルにお決まりの素材だと思うのですが、やっぱりこのビルは他に比べて目を惹きます。きっとシュッとしているから、つまりスタイルというかプロポーションがいい、ということなんだと思います。
ユニクロを着てもかっこいい人と垢抜けない人がいると思いますが、このビルは明らかに前者ですね。
あとで落ち着いて検索してみたら、有名な建築家、村野藤吾さんの手がけたビルだと知り、「ああやっぱりシュッとしてはるわ〜」というのと、村野好きを密かに自称してたのにこんなのも知らなかったのか、という両方の気持ちになりました。
村野さんの作品ですごいと自分が思うのは、「プロポーション」と「納まり」だと思います。「同じ服を着てもなぜかかっこいい」イケメンさは、そこから来るのだと思っています。
2枚目の写真で両側にあるサービスバルコニー?の部分を撮ったのですが、袖壁の内側だけ2丁掛けタイルを貼ってあります。下の1階の壁は暗くて見づらいですが大理石貼りです。上階のほとんどはガラスブロックを含むサッシ窓で占められていますが、各階の床ラインの部分は、一階とは種類の違う大理石が貼ってあります。
このように色んな素材を使っているのにちんどん屋にならない、スーツの裏地がさりげなく見えるようなオシャレさがこのビルの魅力だと思います。
(バルコニーの手すりもオシャレで渋い)
(ちなみに自分が思う身近なちんどん屋の例がこれ)
プロポーション、という点についても、1階が大理石、基準階がサッシ、最上階が石貼り風で三層分離でアクセントがついてますし、両サイドのサービスバルコニー?と少しせり出した袖壁が、デ・ステイルや構成主義風の抽象性を醸し出していて、品の良いデザインになってるんじゃないかって、勝手に思っております。